V-max修理 メカニカルシールの交換
2009年04月 長年乗り続けているV-maxから、冷却水が漏れ始めました。 場所はウォーターポンプのすぐ下、ドレン用の穴からです。ここから冷却水が漏れてくると言うことは、メカニカルシールがダメになっていると言うこと。早速パーツを注文して交換することにしました。 購入したパーツは以下の物。
パーツの他に、特殊工具として安物のベアリングプーラーを購入
その他にもサークリッププライヤがあると便利です。 そして何よりも先人達の経験が非常に参考になりました。 今回はガレージAk!raさんのウォーターポンプ修理記を参考にさせていただきました。 Ak!raさんありがとうございます。感謝しております。 準備万端整えて、天気の良い平日の真っ昼間、仕事はオヤジに任せて店の前で作業開始です。 まずは冷却水を抜きます。 ラジエタの下にあるドレンコックを「ON」にしてドレンボルトを外し、右ダミーエアインテーク(右サイドカバー)内のラジエタキャップを外せばドバドバと冷却水が出てきます。 ウォーターポンプの蓋を外すと、中からウォーターポンプの羽(インペラーシャフト?)が見えます。全体的にキレイですが、蓋の裏側にはオリって言うかヘドロって言うか、黒いヌルヌルが溜まっていました。 次にウォーターポンプ本体を外します。ボルトを外しても動かない場合は、ゴムハンマーなどでたたくと取れます。動くようになったら上下左右に揺すりながら、サーモスタットハウジングにつながっているパイプを抜きます。 このパイプがなかなか抜けてくれません。壊れるんじゃないかと思ってしまいました。 やっとの思いで外したウォーターポンプ本体。ここからインペラーシャフトAss'yを抜くのは簡単です。サークリップを外し、ギヤーを抜き、もう一つサークリップを外せば簡単に「スポッ!」と抜けてきます。 それでは問題のメカニカルシールの取り外しに・・・と思ったら、問題発生。なんと、購入したベアリングプーラーがメカニカルシールの穴に入りません。
メカニカルシールの内径は14mm程度。それに対してベアリングプーラーは12mmから対応。なんでぇ?と思ったら、ベアリングプーラーは爪の直径が14mm以上あります。コレでは無理です。どうしよう。。。考えた末に「2本爪でやっちゃぇ!」となりました。 少し抜けると向きを変え、また少し抜けると向きを変え・・・もしかしたら壊れるかもと思いながら、やっと抜く事ができました。 12mmとうたいながら14mmの穴にも入らないとは、恐るべし安物のベアリングプーラーです。(笑)
メカニカルシールの奥は、大分汚れていました。オイルシールもヘタッてそうですので交換。抜くのはソケットレンチの駒(18mmだったかなぁ?)の駒でクランクケース側へたたき出します。
オイルシールは再利用不可(って言うか、ボロボロになった)ですが、ベアリングはちゃんとたたき出せば再利用可能です。オイルシールをちゃんとたたけばベアリングの外側をたたくことになるからです。いい加減にたたいたら交換です。 写真は左から、メカニカルシール(1)、オイルシール、ベアリングです。
インペラーシャフトに付いているメカニカルシール(2)も外します。 でも、なんだか様子が変です。本当は外側の金属部分と同一面になっていないといけないのに少し浮いているように見えます。 外してみると、中は錆びだらけ。ずいぶん前から水漏れがあったようで、汚れと錆びがひどいです。何とか掃除して使えるようにしました。本当なら、インペラーシャフトも交換ですね。 全てが外し終わったら全てのパーツを徹底的に掃除。クランクケース側にこびりついたガスケットの処理が一番嫌でした。とてもじゃありませんが掃除しきれないので「まぁ、良いか。。。」と言うところで掃除は終了。組み立てに入ります。 まずはオイルシールとベアリングの組み付けです。 サービスマニュアルには「どちらも刻印をクランクケース側へ」とありますが、オイルシールはたぶん逆です。オイルシールは刻印を外側(ポンプカバー側)へ向ける必要があると思います。 (上記のメカニカルシールを抜いた写真で、ポンプカバー側から刻印が見えています。) ただ、自分の勝手な解釈で取り付けていますので、同じようにしたことで何かしらの不具合が起きたとしても責任は負いかねます。
オイルシールにシリコングリスを塗って指で押し込み、その後からベアリングを刻印が見えるようにソケットレンチの駒でたたき込みます。心構えは、まっすぐはいるように、慎重に、大胆に。。。。 次にメカニカルシールです。27mmのソケットレンチの駒を使います。メカニカルシールにうまく合わせてたたき込みます。ヤマハボンドを塗れとか書いてありますが、自分は液体ガスケットで代用です。 最後に、インペラーシャフトにメカニカルシール(2)を挿入。リップ部にオイルやグリスが付かないように注意し、冷却水を塗布して押し込みます。指で簡単に入ります。
以上、パーツの組み立ては完了しました。あとは分解したときと逆の順序で組み立てるだけです。 ギヤがちゃんとかんでいるか確認しながらウォーターポンプを組み付け(パイプはゴムハンマーで軽くたたくと入る)、ウォーターポンプカバーを取り付け、ドレンコックを「OFF」にして冷却水を入れれば完了です。 1時間程度で終わらせられるかと思いきや、掃除や思ってもいないアクシデント(ベアリングプーラー合わず、インペラーシャフト激汚れ、ガスケットの掃除)が重なり、結局6時間もかかってしまいました。 外はすでに真っ暗。まともに動作確認も出来ないままバイクはガレージへ移動してしまいました。 明日、明るいところで動作確認をしないといけないなぁ。。。 |