on any sunday
レース二日前の夜、ボクはXR650Rに履いてたロード用のタイヤを剥ぎ、IRCの競技用オフタイヤに履き変えていました。日曜日はここ数年の夢をかなえる日だったからです。目指すは3775.63m。 そう、てっぺんです。 日曜日は予報どうり明け方前から雨、でも上に行けば晴れてんじゃね?ってことで夜明け直前にスタート。 五合目付近は勾配もゆるく、霧雨の中を快調に飛ばせます。その先のS字からきつくなり、前回も前々回もその前後でリタイアしていました。 しかし今回は違います。タイヤは新品、しかも運転手はいくつもの修羅場を乗り越えてきたオレだ、と自己暗示をかけ二回でクリアー。よし、今日のオレ様は最強だぜ、とさらに調子にのってきました。
3000m付近からは気温も下がり、呼吸をしていても何か溺れているような気分です。おまけにバイクのエンジン音も狂い始めています。まずい、エンストこいたら二度と掛からないかもしれない、と思い緊張していると又雲の中へ入っていきました。
そこは台風並の風雨が吹き荒れる、地獄ってたぶんこんなかんじかな、っという場所でした。でもそこからはわりとあっけなく、ついにてっぺんにたどり着きました。ワーイ、パチパチパチ。 記念撮影をして、すぐに下山し下の駐車場(ダート)で遊んでいると、同行のXR600RのWがついに初めてバク転、コイドさんやオレが何度まくれたと思ってんだ、とちょっとすっきりしました。 夕方帰ってきてからは、明日のレースのために又ロードタイヤに履き変えて、洗車してメンテナンスしてから寝ました。いやー、忙しかった。
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この物語りはフィクションです。
当然、写真は合成により作成された物です。 標高1900m以上の国立公園にオートバイで立ち入ることは 自然保護法により禁じられています。 |